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友人夫婦のエピソード

「レコード(CD)コレクター道を極めるならば、家族で夕日の沈む土手を散歩する夢は捨てるべき」という格言があるとか無いとか。


R(40代自営業)はいわゆる自他ともに認める音楽(CD、レコード)マニア。
ある日、妻と子供二人をつれてショッピングモールへ出かけた。
買い物目的は異なるので、妻と子供がなにかを物色している間はひとり中古CDのバーゲン売り場へ。まぁ合理的な方法だ。
そして妻と子供の買い物が済んだらそのCD売り場の近くで合流する約束をした。

CDを物色すること小一時間。やがて探し求めていたレア・アイテムを運良く手に入れた。
ベンチに座り、その買ったCDの封を切って中ジャケットを眺めていたら、
髪をポニーテールにしデニムの上下に身を包んだ、いかにも“70年代ロック野郎”のむさ苦しいおにーさんが、
それ、いいっすよね~~~~!いやぁボクも大好きなんですよ~~~!地元でそれを持っている人に会ったのは初めてですよ~~~~嬉しいですねぇ~~~~!!!!
と、本当に嬉しそうに話しかけてきた。
Rも、こんなところで同じ趣味の人間に出会うとは思ってもいなかったし、話しかけてくれたことが嬉しくて意気投合。
音楽談義で、いやがうえにも盛り上がった。

やがて買い物を済ませた妻と子供がもどってきた。それなのに一向に二人の会話が終わらない。

妻と子供がけげんな表情で音楽談義が終わるのを待つ。


約15分後、気配をやっと察した二人は音楽談義をやめた。
電話番号を交換したデニム野郎がRの妻に軽く会釈をしたが、当然(?)無視される。


「今の人はあなたの友だちなの?」

「い、いや、今初めて会った」

「・・・・」


友人夫婦の幸せを祈るばかりである。
by bongokid | 2005-07-17 01:12 | Column