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「知りすぎたのね」というタイトルの歌謡曲があるが、万事そうなのだろうか。
学び知ることは当然よいことだろう。人は様々なことを学び経験して成長していく。
ただ、時に知識が邪魔をすることもある。理屈で納得して自らを縛り付けてしまうこともある。知識を持てばそれを手段にして応用させればよい-ということもよくいわれる。しかし概してそんなにうまくことが運ぶとは限らない。それは知識に感性が追いついていないからで、感性を鍛えることは知識を詰め込むことよりはるかに難しいのだ。

若い人に「どうしたらカッコよいプレイが出来るようになりますか?」という恐ろしい愚問をされた時、村上ポンタ氏(彼のプレイはそれほど好きではないが)が、名言を吐いていたのを思い出した。「それは、毎日散歩をして物思いにふけることだよ!」

c0033501_22195298.jpg音楽においてどこか不器用で端正でない人が好きだ。たとえば、
リンゴ・スターはスネアロールをしなかった。
キース・ムーンはハイハットを使わなかった。
モーリン・タッカーはべードラを使わなかった。
ジミー・ペイジは正確なフレーズに自信がないくせに、ミストーンをごまかせない音色が好みだった。
ニール・ヤングやキース・リチャードはカポタストを使った。

自分は彼らの音楽が大好きだ。そして彼らは、知識というより、感性に裏打ちされた知恵を持っていたように思う。
こんな事を書くと、「練習嫌いを正当化しているだろう?」というつっこみが、返ってきそうだ。まぁそれはその通りだな。(苦笑)
ちなみに「知りすぎたのね」の歌詞は、《あなたのことを知りすぎてしまい、疲れたわ。そろそろお別れね》というものだったかな?たしか…。
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by bongokid | 2005-01-16 22:08 | Player

c0033501_22234095.jpgBruce Springsteen & The E-street Bandの2000年・リユニオンライヴをDVDで観た。場所はニューヨークのマジソンスクェアガーデン。
DVD収録時間は3時間に及び、すべてが素晴らしいことは言うまでもないが、その中でも「The River」と「10th avenue freeze-out」が圧巻。どちらもニュアンスを深く深く掘り下げて、オリジナルの倍以上の丈になっている。発表されてから30年弱。おそらく数百回、いやリハも含めれば数千回?演奏しているであろう楽曲だが、マンネリズムに陥ることなく熟成に熟成を重ねた深い深い味わい。
「The River」では導入部に"The big man"のサックス・ソロパートが設けられ、Springsteenの歌は旋律を崩し歌詞の言葉ひとつひとつを丁寧に独白するように綴る。
「10th avenue freeze-out」では中間部でゴスペルライクなロックンロール宣教師に“変身”し、速射砲で言葉を放ち続ける。たどり着くまでの厳しさを覚悟し“約束された川”に向かおう!-と訴え、10年ぶりに結集した同志(バンド)を讃え、連帯する喜びを全身で表現する。そして、それは見事な【ロックンロール・エンタテイメント】としても緻密に計算されつくされていて、聴衆をその世界に確実に引き込み、同化させ、楽しませる。
このエンタテイメント性というのが最重要ポイントだろう。一歩間違えれば宗教臭く妙にシリアスになるところを手前で踏み止まるその手法からは、成熟に至ったアメリカ合衆国のショービジネスの歴史も透けて見えてくるのだ。御馳走さまでした!
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by bongokid | 2005-01-15 21:05 | DVD

Tonight only!!!! ...featuring Hall & Oates, The Temptations Review (Eddie&David), and Mick Jagger & Tina Turner with "The Hall & Oates Orchestra"

LIVE AIDには優れたパフォーマンスがたくさんあるけど、とくにクィーン、エルトン・ジョン、デビット・ボウイ、ザ・フーなどのイギリスのベテラン勢は貫祿もあり、大きな会場全体を掌握した横綱相撲で、やはり抜きんでている。当時の若手の中ではU2に特別な勢いを感じる。
イギリス・ウェンブリーのステージは、パフォーマンスに聴衆が集中していて会場全体に一体感があるが、アメリカ・フィラデルフィアの方はあまりにも巨大な会場だからか、あるいは国民性なのか、やや散漫なかんじでステージと聴衆の一体感が今一つ感じられない。

c0033501_21531266.jpgそんなフィラデルフィアの中でも、《ホール&オーツ~モータウンレビュー仕立てのテンプテーションズメドレー~ミック・ジャガー~ミック・ジャガー&ティナ・ターナー》の数十分は、個人的には最高のお気に入りだ。そしてこれらの演奏はホール&オーツ本人達も含めた彼らのバンドが通して務めている。(クレジットは“ホール&オーツオーケストラ”で、ブラスセクションやパーカッションなどのサポートも含む)
ミックが入ってからの部分は、どの程度リハをやったのか定かではないが、ギタリストG.E.スミスが展開の指示を全身を使って気迫で示しているところを見ると、ほとんどブッツケだったのではないだろうか?
それにしてもサスガだ。演奏は余裕で手堅く、しかもグルーヴィーで、即席仕立てとは思えない。これこそ真のプロフェッショナル!と言える。

ティナとミックは、アイク&ティナターナー、ローリングストーンズというそれぞれの立場で、60年代から第一線で活躍し、70年代前半あたりには確かスト-ンズの前座でアイク&ティナは共演していたと思う。(未確認) 古いつき合いで気心が知れているだろうし、エンタテイナーとしての息もぴったり♪
そんなこんなを十分承知しているはずのホール&オーツ・オーケストラが先輩に敬意を表しながら、心から嬉しそうにバックバンドを務めている。そして、それを観ている僕はとても幸せな気分になれる。
この組み合わせを誰が考えたのかは知らないが、してやったりだろうな。
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by bongokid | 2005-01-14 21:56 | Column