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c0033501_16144713.jpg「The Chitinous Ensemble」(チェロ奏者、作曲家、弦楽アレンジャー=ポール・バックマスターの実質ソロ・アルバム再発CD)を購入。
以前の記事はこちらこちら

バックマスターは70年代にエルトン・ジョン、ニルソン、ローリングストーンズなどの弦アレンジをしたことで、当時一躍有名になったが、それとほぼ同時期にエレクトリック期(1969年~の全盛時)のマイルス・ディヴィスに多大な影響を与えた人物でもある。

バックマスターが作編曲、音楽監督を担当し、数十人のミュージシャンが参加している。
(「The Chitinous Ensemble」は、マイルスの「ビッチェズ・ブリュー」の源のひとつと言って良いだろう。)

長らく廃盤になっていた待望のブツであり、期待を裏切らない素晴らしい内容。
簡単に言えば、クラシック現代音楽とフリージャズとファンクが渾然一体となった音世界。
マイルスとの明らかな違いは、バックマスターならではの重厚な低音域を中心としたストリングスが使われているところ。
そのせいか、マイルスに比べて湿り気があり、イギリス的。
タブラなどの打楽器も効果的に使われているが、これはマイルスの「オン・ザ・コーナー」を連想させる。(というか、こちらが先ですが。)

マイルスの自叙伝(中山康樹・訳/宝島社)においてもバックマスターは登場する。
一度目は、1969年(「ビッチェズ・ブリュー」制作時)にイギリスで出会い、いつかニューヨークに来てレコーディングを手伝うよう要請しているくだり。
二度目は1972年(「オン・ザ・コーナー」制作時)で、マイルスは自宅に泊めてレコーディングを手伝わせているくだり。
また、バックマスターのリズムと空間の扱い方を気に入っていた、とある。
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by bongokid | 2005-06-10 21:23 | CD

c0033501_0137100.jpg日本における1975年の2組のライヴアルバムを境に、しばらくの間、表舞台に立たなくなる。病気のため療養していたそうだが、その後に発表された作品にはかつての精彩は感じられない、という固定観念もあり、「パンゲア」以降は買うものか…と思っていた。
しかし、ある日、ジャケットを見ただけで「Live around the world」という晩年のライヴを気まぐれで買ってみた。案の定、巧妙なカラオケのような匿名性の高いブラコン・バックバンドの上で、“自分の過去”をコピーしたようなフレーズで演奏していた。

しかし、秀逸なモノクロのジャケット写真(はげ上がった異常に大きなアタマ)を見ながら、けして流暢ではない-しかも痛々しいほどのバラード「Time After Time」を聴いて、

泣けた。

息づかいもわかるほどに切迫していて、しかもこんなにボロボロだけど美しい-それに触れただけで、もうなにも言うことはない、そう思ったのであった。
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by bongokid | 2005-06-02 00:13 | CD

c0033501_2305866.jpg2002年と2003年にローリングストーンズのツアーに参加したジャズサックス奏者の、ストーンズ楽曲のみ(一曲を除いて)で構成されたプロジェクト・アルバム。

率直に言えば、ストーンズのメンバーを入れないほうが良かったんじゃないのかな。入れたほうが断然セールスは良いだろうが、アルバムとしては散漫なかんじがする。このさじ加減は難しいところ。
12曲のうち、気に入ったのは「Satisfaction」「Street Fighting Man」「Paint It Black」「Gimme Shelter」。
すべてジャズ畑のミュージシャンによる、あくまでも原曲を素材と捉えた、独自の解釈での演奏。
「Satisfaction」でのJohn Scofieldや、「Paint It Black」「Gimme Shelter」でのBen Monder(新鋭)のスリリングなギターが光る。
「Street Fighting Man」でのジャズサンバもカッコイイ。

ストーンズのメンバーをフューチャーしたものは、良くも悪くも原曲の世界観から踏み出しておらず、コンセプトとしては物足りない。
話題を呼んでいるオルガントリオの「Honky Tonk Women」は、オルガンは素晴らしいが、チャーリー・ワッツのプレイがニュアンス不足な印象。(チャーリー、ごめんなさい...)

メインであるティム・リースのサックスはコルトレーンの影響が垣間見られ、全般的に豊かなニュアンスを醸し出している。そしてなによりも、上記(太字)4曲においての斬新な編曲と巧みな人選に拍手を送りたい。
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by bongokid | 2005-05-30 23:07 | CD

c0033501_22382756.jpgCDのボーナストラックってなんだかなぁ…。LP時代の音源を、収録時間にも余裕があるCDで再発すると、付加価値としてボーナストラックが入っている。珍しいものを聴けることはよいことだが、当時のボツテイクがほとんどだから、やっぱりデキは落ちる。
一枚トータルの“起承転結・気分”もそがれてしまい、なにか複雑な気分になる。《曲が増えた分、お買い得!》というキャッチコピーは、あまり嬉しくはない。FREEの再発盤は、オリジナル曲とボーナス曲の間の無音部分が少し長いから、ヨシとするか。

《CDは聴けば聴くほど単価が安くなる》というのが持論。1500円のCDを一回聴いたら単価は1500円。3000円のCDを10回聴けば単価は300円。だからCDを買うときは、《何回も聴くだろうか?》が、一応買う判断材料になる。費用対効果ということだ。だが、失敗もする。
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by bongokid | 2005-05-27 22:42 | CD

c0033501_22524814.jpgこれは昨年の7月頃に発売されたアメリカ・ニューヨークのブルックリンで結成されたアフロビートグループの三作目。

アフロビートの王様フェラ・クティは大好きで、5,6枚持っているが、そのフォロワーと聞いただけで、「どうせ本物には劣るだろう」と、ずっと無視していた。しかし、いやぁ~~~~今まで買わないでいてゴメンナサイだ!!!最高の一言です。

米国同時多発テロの後に反戦メッセージをストレートに出したのがこのアルバムであり、つまり、サウンドのみでなくフェラ・クティのメッセージ(反権力)を継承している。
ただし、(政治的な意味合いはあれど、)第一義的に、これは音楽である。心地よい反復するグルーヴに、しばし浸りたい。

サウンドはフェラ・クティのサウンドをフォローしていて、ちょっと聴くとイミテーションのようだが、メンバーは欧州、アフリカ、アジア、ラテン、中東、カリブ系の混合であり人種のるつぼN.Y.を拠点にしているがゆえのニュアンスが加味されている。

(余談)
フェラ・クティやアンティバラスの音楽、とくにオルガンを聴くと、ドアーズの「ハートに火をつけて」の間奏を思い出す。そのドアーズのサウンドはコルトレーンの「マイ・フェバリット・シングス」あたりを参考にしている。そのコルトレーンは、ルーツであるアフリカを意識していた。そう考えるとある種のロマンがある。あくまでも個人的な妄想かもしれないが。
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by bongokid | 2005-05-25 22:53 | CD

c0033501_22502980.jpg1975年のCTIでの録音。メンバーは、
ジム・ホール(ギター)
チェット・ベイカー(トランペット)
ロン・カーター(ベース)
ローランド・ハナ(ピアノ)
ポール・デスモント(サックス)
スティーブ・ガット(ドラムス)
ドン・セベスキー(アレンジ)

発売当時LPを購入し、あとでボーナストラックの入ったCDも買った。
表題曲は、元々はギターとオーケストラのための協奏曲であるが、これの場合、あくまでもコンボによるスタジオセッション(約19分)で、仰々しくない。
ゆっくりめの16ビートで展開される演奏者それぞれのプレイがよく“歌って”いて、素晴らしい。アンサンブル、ソロ、すべてが完全無欠といってよいのではないだろうか。
マイルス・デイヴィスとギル・エバンスオーケストラの演奏もあるが、個人的にはこちらのほうが断然好きだ。
何百回聴いたかわからないが、それぞれのソロフレーズをほぼ覚えてしまったので、いっしょにハミングできる♪
一曲目のスタンダード「You'd be so nice to come to」二曲目のジム・ホール夫人によるオリジナル「The answer is yes」も好きだ。

余談だが、ショーケンが歌ったザ・テンプターズの「純愛」のAメロはもろアランフェスですね。
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by bongokid | 2005-05-12 22:52 | CD

c0033501_21503158.jpg今、ベックの1996年の名作、オディレイをかけっぱなしにしているところ。ジェフ・ベックじゃないっすよ、ベックです。
ヒット曲は何回か耳にしていたけどアルバムを通して聴いたことがなかった。限定生産で特価1470円なもんで買ったのだった。

まともに曲を聴かせる部分といろんなコラージュのリフがグチャグチャに混ざり合っていてとてもカッコイイ音楽だ。センスの塊。
ヒップホップ、デルタ・ブルース、チャイコフスキー、パンクetc.いろんな音が聞こえる。
アバンギャルドなことを散りばめながらもメインストリームで通用する音楽、この絶妙なバランス感覚は好きだ。歌詞は生々しい日常を歌っていて、明るくも無く暗くも無い。

※最新版「グエロ」も同時購入。
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by bongokid | 2005-05-03 21:52 | CD

c0033501_044197.jpg約30年余りロックミュージックを中心に様々な音楽を聴いてきてはいるが、言うまでも無く世に出回っている素晴らしい音楽をすべて聴くことなんて不可能だ。そしてまた、なんとなく巷で流れる有名曲などで納得したまま、本気で向かい合っていない名作アルバムも存在する。もちろん嫌いでもなく、いつか聴くだろうと、なんとなくタイミングを外して聴いていないわけだ。

第三期ディープ・パープルもその中に入る。タイトル曲「紫の炎」は発売当時からラジオやカセットテープで何百回と聴いているだろう。第三期なのに第二期のレパートリーがハイライトのカリフォルニア・ジャムもビデオで観ている。アルバムのオリジナルジャケットも知っている。これらからイメージされるものは、あの“ディープパープル”だ。あの…!

そして、それはとんでもない間違いだった。1975年の発売時からなんとなく知っていたはずなのに、今さらながら、恥ずかしながら、アルバムを聴いて認識を新たにした。
そう、シングルカットされたタイトル曲は別にして、他の曲から受ける印象は“ブルース・ロック”。ヘビーメタル的なパブリックイメージからは遠く離れたブラック・ミュージックの要素がかなりの程度で濃く、軽いショックを受けた。誤解を承知で言えば、第二期ディープパープルよりもむしろフリーにとても近い音楽。個人的にはもちろん好きなタイプの音楽だ。



当時、新加入のデビッド・カバーデルとグレン・ヒューズの音楽的影響力が予想以上に強かった。というか、この二人を加入させるアイデアの元は、一見ブルース系と縁のなさそうなジョン・ロードだったというのだから意外なものだ。(実はフリーのポール・ロジャースもボーカル候補だったりした)

“フリーが好きでヘビメタを好まない人”でもってこのアルバムを聴いたことがないならば、騙されたと思って聴いてみることをオススメする。
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by bongokid | 2005-05-02 00:08 | CD

こちらの記事に関しての後日談
ポール・バックマスターの実質ソロアルバムが判明。
1971年発売で、名義はThe Chitinous Ensemble。
あえてジャンルで言えば、ジャズ~現代音楽らしく、ぜひ聴いてみたいものだが、廃盤のようだ。

(その後タイミングよく再発されました。6/10追記)
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by bongokid | 2005-04-27 22:52 | CD

アマゾンで下記のCDを注文した。
"The Very Best of Badfinger"
"Who Is This America?"/アンティバラス
"紫の炎 30th アニバーサリー・エディション"/ディープ・パープル
"Guero"/Beck
"Odelay"/Beck
なぜ、これらを選んだか。
バッドフィンガーはオリジナル紙ジャケも悪くないが、コストパフォーマンスでこちらを。昔ブートで我慢した恨みつらみがあり、心境は複雑なり。アンティバラスはフェラクティ的なアフロファンクをアメリカ人が試みているというところに興味があって。パープルの「紫の炎」は“ブルーアイドソウル”とハードロックの融合という視点に興味があって。Beckに関しては、ラジオオンエアやシングル盤で聴いてはいたがアルバムとして通して聴いたことがなかった。最近は年齢とともに石橋を叩いてから渡るクセがついていた(苦笑)わけで、代表作"Odelay"がナイスプライスになったことだし、最新作"Guero"と一気に聴いてみることにした。
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by bongokid | 2005-04-21 23:18 | CD