ELTON JOHN Trio -1970- Elton John/17-11-70

c0033501_140534.jpg1970年。リアルタイムで購入したLPレコードのなかに、一枚のライヴがある。
Elton John が、ブートレグ対策として仕方なく発売したらしいFM局でのスタジオライヴがそれだ。当時の彼は大スターというほどではなく、「Your Song」がそこそこヒットしたことも手伝って、イギリスのシンガーソングライターとして注目が集まってきた頃である。

このLPを買ったきっかけは、かまやつひろしが、「セイヤング」という深夜放送で紹介したからだ。そして、その音像にマイッテしまった。カッコヨカッタ!当時はただカッコイイと感じて購入したわけだが、後々何十回と聴くウチに、その理由がわかってきた。

なにせ、ギター中心の(いわゆる)ロックシーンにおいて、あえて?ピアノトリオである。しかもEltonは、ジェリーリー・ルイスばりに立ったままのプレイ。終始静かな曲は、一曲もない。オリジナルではしっとり聴かせていたものでさえ、時に荒々しく叫び、荒々しくピアノを鳴らす。

ドラム(NIGEL OLSSON)は、けしてハイテクではないが、ツボを押さえたダイナミックなノリを出している。ベース(DEE MURRAY)は、Eltonのピアノを下部で支えつつ、時に“ウーマントーン”でストリングスの役目をしたり、ピアノのフレーズの隙間を自由に飛び跳ねたり、自在である。なにしろ、どの楽器もよく“ウタっている”。そして肝心のボーカルだが、Eltonは言うに及ばず素晴らしく、他の二人もまんべんなくコーラスを加えている。

1970年といえば、ライヴをするのに仕込みテープをシンクロさせる技術は、もちろんまだない。
Elton はスタジオ盤においては、ポール・バックマスターなどを起用して分厚い音を作っていたが、それをそのまま再現することなど当時は全く不可能であるし、また考えもしなかったことだろう。

ピアノ、ベース、ドラムとその3人のコーラスだけで楽曲を再現し、しかも楽曲のクォリティを完全に保持し、表現することに成功しているわけだ。ギターもオルガンもストリングスも他のバックコーラスも入る余地のない、ピアノトリオのロックユニット。その神髄がコレなのである。

ただそれは、その時代が故の表現手段が成し得た、奇跡の音像であったのかもしれない。

追記: ベンフォールズ・ファイヴが出てきたとき、このアルバムをきっと参考にしているナ!とニヤッとしてしまった。
[PR]
by bongokid | 2005-02-03 23:25 | CD