B.Springsteen LONDON 1975(その2)

78年(ダークネス・ツアー)、80年(ザ・リバー・ツアー)のフルライヴは有名なブートビデオで何十回と観ていたが、75年のものはもちろん初めて。しかもボブ・クリアマウンテンによるミックスが丹念に施されたオフィシャルだ。

これはイギリスでの初ライブで、事前に大々的な宣伝が行われており、音楽マスコミ関係者が最前列に多勢陣取っていた、とのこと。いわばイギリスへのプレゼンテーションのような意味合いがあったようだ。
そんなことも関係しているのか、ブレイク前の時点だからか、ロックスターとしての地位を築いたあとの78年、80年のものに比べて独特な緊張感があり、ステージングもけして洗練されていない。風貌も表情もハングリーさが漂っている。これは、ブルース本人にも言えるし、Eストリートバンドにも言える。
だからこそ、それだからこそ、歌、演奏ともキレまくっている。天才的な歌の表現力、それを完全に理解した上での自我を捨てたバンドアンサンブル。素晴らしすぎる!(「クォーター・トゥ・スリー」は後のものよりちょっと淡白だが...)

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エンターテイメント化し円熟味が増した84年(ボーン・イン・ザ・USAツアー)以降のライブがけしてけして悪いわけではないことを断った上で…、
バンドメンバーが増えた分、演奏が良くなったのだろうか?シンセを使うようになって良くなったのだろうか?スネアドラムにエフェクトをかけて良くなったのだろうか?女性コーラス(今の嫁さん)を入れて良くなったのだろうか?
と、ある意味、ちょっと残酷なことも頭をかすめる。
担当箇所が減りタンバリンを振っている時間が長くなったクラレンスや、時にほとんど聴こえていないアコギをストロークするニルスやパティの姿を見ると、気の毒にさえ思えてくる。

そんなことを言いたくなってしまうのは、75年から81年のメンバーによるライブがいかに素晴らしかったか、ということの裏返しなのだ。ちょっと言い過ぎかな。
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by bongokid | 2005-12-30 23:24 | DVD